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NHK、大型・中型中継車搭載の車載用低公害発電機を開発

2010年6月10日(木)


新開発の発電機
 NHKは、環境にやさしい機器開発の取り組みとして、省エネルギーで低公害を実現する大型・中型中継車搭載の自家発電機を開発*1した。

 これまでに開発した小型中継車用の低公害発電機*2では、負荷の変動に応じて燃料噴射量を電子制御することで、使用電力量が増えたときの回転数の変動を防ぎ、有害ガスの生成を抑制していた。しかし、高校野球などの大規模な中継番組で使用する大型・中型中継車用の容量の大きな発電機では、排出ガスに含まれる有害ガスの割合が高くなるため、電子制御だけでは規制をクリアできなかったという。

 今回、負荷の変動に応じた燃料噴射量の電子制御に加え、自動車やトラックのディーゼルエンジン用に開発された最新の技術
・ 燃料噴射圧を上げて燃料と空気の混合気体を高密度化することで効率的な燃焼を行う技術
・ 排出ガスの一部をエンジンに戻し酸素濃度を減少させ燃焼温度を低下させることで窒素酸化物(NOx)を減少させる技術
を応用し、省エネルギーで低公害を実現する大型・中型中継車搭載の自家発電機を開発した*3。粒子状物質や黒煙を低減し、また排ガス成分中の有害ガスを約40%〜80%削減した。燃費も約10%向上したという。

 本発電機は、国土交通省が制定する排出ガス対策型建設機械の指定制度の第3次規制*4に30kVA以上の車載用発電機として初めて認定された。

※1) 富永物産株式会社との共同開発
※2) 平成20年11月6日報道資料「NHKエコ開発(その2)中継車用低公害発電機の開発」
※3) 自動車では、速度や負荷の変動に応じてエンジンの回転数を変動させるが、発電機には、出力電力の周波数や電圧が一定となるように回転数が変動しないことが求められる。
※4) 国土交通省は、建設現場の作業環境の改善、機械化施工が大気環境に与える負荷の低減を目的として、「排出ガス対策型建設機械指定要領」を策定し、平成4年から第1次基準値、平成13年から第2次基準値、平成18年度から第3次基準値に適合した排出ガス対策型建設機械型の型式指定を行っている。第3次基準値が最も厳しい基準値となっている。