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日本ロジスティクスシステム協会(JILS)第5回定時総会を開催および2015年度物流合理化賞の表彰

2015年6月22日(月)

公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は2015年6月22日、「第5回定時総会」を開催し、2014年度の活動概要および事業報告についてと2015年度活動方針、事業計画および予算について報告がされた。また議事においては2014年度決算承認に関する件、理事2名の退任および理事2名の選任に関する件、定款の一部変更の件、退任役員の退任慰労金支払いに関する件がそれぞれ承認された。

なお同総会で、専務理事の徳田雅人氏と理事の鈴木澄夫氏(日立物流取締役会長)が退任したことから、新任の理事には中谷康夫氏(日立物流代表執行役社長兼取締役)と寺田大泉氏(公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会)が就任。専務理事には橋爪茂久氏(公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会)が就任した。

さらに同総会終了後、2015年度物流合理化賞の表彰式が執り行われた。
第29回目を迎えた全日本物流改善事例大会は、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会と日本ロジスティクス研究会の共催のもと、2015年4月21日(火)・5月19日(火)の2日間、東京都港区・青山ダイヤモンドホールにおいて、述べ474名の参加者を得て開催された。
ひとつの作業所(現場)で完結する、小集団が対象の「物流業務部門」(物流センター等での現場改善)、複数の物流業務および工程を統合した範囲が対象の「物流管理部門」(運営・管理部門での改善)の2部門に分けて改善事例の募集を行い、応募事例の中から選考された優秀事例30テーマの発表が行われた。
全日本物流改善事例大会で発表された優秀事例については、「現状把握」「改善企画」「改善実行」「評価・定着」「成果」「表現力」の視点から厳正なる審査を行い、物流合理化賞を決定している。

2015年度は、以下のとおり物流合理化賞3件、物流合理化努力賞4件が決定した。


<< 2015年度物流合理化賞 >>

〈物流業務部門〉

● タブレット端末導入による作業標準化について(品質・効率の向上)
発表者:佐川グローバルロジスティクス株式会社 営業部 名古屋支店 金沢SRC 所長 野水 友也 氏
イーコマースでのリユース事業を行っている荷主との協力により、帳票を使用した作業から、タブレット端末を使用した業務への変更を行った。

● 大型ビニール袋の取り出し性改善(大型ビニール袋の収納具の開発)
発表者:株式会社スバルロジスティクス 部品物流本部 CKD事業部 CKD生産課 川崎 久美香 氏/根岸 洋子 氏
梱包用の大型ビニール袋を使用する際、作業時には袋の束を広げて取り出し、作業を終了すると、残りの袋を足元の格納箱へまた畳んで収納する動作を繰り返すうちに、袋がずれてバラバラになり、作業性を低下させていた。この解決手段をQCサークルで検討し、主婦の知恵・主婦の特技を活かしながら改善に取り組んだ。

〈物流管理部門〉
● メーカーに出来る物流改善「外装表示/設計の最適化」で、作業効率化、物流品質向上を目指す!
発表者:味の素株式会社 物流企画部 物流戦略チーム 専任部長 伊従 護 氏
 類似商品による仕分けミスや、外装表示内容に起因するトラブルを解消するため、部門横断の連携プロジェクトとして、視認性・識別性を研究した外装デザインガイドラインの策定を行った。あわせて、積載効率を向上させる積み付け方法への変更や包装設計を行った。


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〈物流業務部門〉

●通信機器リサイクル業務の効率化
発表者:株式会社エヌ・ティ・ティ・ロジスコサービス 埼玉物流センタ 伊藤 祐子 氏 
レンタル品として提供している通信機器を回収し、機能試験、クリーニング、梱包等を経て、通信機器を再利用できる状態にする業務において、必要な量だけ処理をするための同期化、工程統合、1個流し作業化、セル化等の改善施策を実施した。

●荷主企業と3PL企業による協同作業改善とゲイン・シェアリング
発表者:株式会社おおさか協同物流センター 物流課 課長 四元 克佳 氏 物流技術管理士(45期)
/株式会社流通サービス 物流本部 西日本物流部 枚方物流営業所 所長 生田 育弘 氏 
構内リスト集品作業の生産性向上を目指し、荷主と3PL企業で協同改善チーム結成を結成し、作業改善に取り組んだ。両社の信頼関係と現場の協力を土台に、作業員のタイムカード記録の共有や、両者共通の生産性指標の策定を行った。

●格納工程のバラツキ改善による生産性の向上
発表者:東芝ロジスティクス株式会社 大分ロジセンター 大分運輸株式会社 山内 節子 氏 
入荷業務の生産性を向上すべく、工程別KPIの検証から、バラツキの大きかった格納工程を作業面、レイアウト面に分け改善に取り組んだ。作業面ではVTR分析により11動作を減らし工数を59秒(5.7%)削減した。レイアウト面では品種別から入り数別にすることにより運搬距離を115m(12.3%)削減した。

●検品・梱包効率の改善と出荷品質向上をローコストで実現
発表者:株式会社ヒガシトゥエンティワン サプライ・ソリューション事業本部 部次長 窪田 一夫 氏 
出荷業務において、検品および梱包業務の効率化と出荷品質の向上を目指し、システム導入コストも抑制できる、レジ型検品システムを導入した。検品・梱包効率を向上させるとともに、作業の標準化ができ、大量の荷物を短時間でかつ正確に処理することが可能となった。