株式会社ターボテクノエンジニアリング、株式会社ターボテクノサービス、株式会社エコロジーターボサービスと株式会社TTSホールディングスの4社からなるTTS(ターボテクノサービス)グループは、トラックなどのターボチャージャーを修理販売する国内で唯一のトータルリマニュファクチャリングターボメーカーである。
トラックに限れば、このうちの株式会社ターボテクノエンジニアリングがTTSグループの技術・製造部門を担当し、株式会社エコロジーターボサービスがディーゼル4社などの窓口となり販売を担当している。
同社がなぜ国内で唯一なのかと言えば、業界ではこれまで難しいとされてきたVG可変ノズルターボ、コンピューター制御式アクチェーターの判定や設定に独自のソフトを開発し、リビルドを実現しているからに他ならない。
ちなみに乗用車のターボにおいても、株式会社ターボテクノサービスを窓口として各メーカーの部品販売会社や大手部用品卸商社とも取引がある。
つまりは、ターボの不具合や故障は乗用車・トラックは言うに及ばず、船舶に至るまで同社に送られ、新品同様となって市場にフィードバックされているのだ。
持ち込まれた使用済みターボユニットの分解から、各部品の消耗度合いの計測、そして最適な再生部品の生産。単なるリビルド事業ではなく、ターボ・リマニファクチャリングを呼称するほどの高い技術に裏打ちされたビジネスを展開している。それがTTSグループなのである。化石燃料に依存している、現在の自動車を取り巻く環境にも、変化が訪れ再生可能エネルギーの実用化も、僅かではあるが市場に導入され始めている。しかし、それは全体の数%に留まり、化石燃料を使用する、内燃機関への依存度はこの先数十年は続くことになるであろう。
そして環境性能や経済性の追求の背景より、最近の内燃機関全般で、採用されてきているのが、排気量のダウンサイジングである。当然、排気量が減少すれば、比例して出力も下がり、運行に支障がでる。そこで、過給機により熱効率を高めて、要求出力を達成させる手段が導入されている。
最近の大型トラック・バスにおけるエンジンの過給機は、低速域から高速域までをスムースなトルクカーブを実現するために、バリアブル・ジオメトリー・ターボチャージャー(VGターボ)の採用が大半占めるようになっている。
過給機のタービンシャフトは、700℃以上もの高温化において、数万回転と言う過酷な状況に常に置かれているために、僅かなゴミ、油膜切れなどには敏感に反応し、性能劣化が発生する。また、VGターボの可変ブレードも同様の環境の中、常時最適な要求出力に制御するための、頻繁にブレード・シャフトをコントロールする必要がある。
このようにして、高速回転のタービンシャフトのオイルシール、可変ブレードのシャフトの摩耗などが過酷な環境下により、初期の性能が維持することが困難になり、再生を施す必要に迫られる。
ターボユニットの性能が劣化した部位のみを再生し、ケーシングなどの再利用が可能な部品は、精密検査、洗浄処理をすることで、新品ターボユニットの交換を実施した場合に比較して、50%程度の費用に抑制することが可能となる。
運行経費の軽減は部品代のみならず、出力性能の回復による省燃費への貢献など、長期的視点においても経費削減、もしくは、排ガスの減少など環境への貢献も見逃せない。
持ち込まれた使用済みターボユニットの分解から、各部品の消耗度合いの計測、そして最適な再生部品の生産。ターボテクノエンジニアリングでは、単なるリビルド事業ではなく、ターボ・リマニファクチャリングを呼称するほどの高い技術に裏打ちされたビジネスを展開している。
通常であれば、自動車メーカーより新品部品を取り寄せる方法があるが、その価格は、40~60万円と非常に高価な部品であり、前述したようにサービス性を配慮せずに非分解式となっているケースが多いために、必然的に新品ターボユニットを購入するため、輸送事業者は多大な費用を必要とされることとなる。
こうした背景の中、過給機の再生事業へのニーズが非常に高まってくるのは、当然の結果と言える。しかしながら、ターボメーカーからの補修部品の供給が、各社異なり、多くの場合は入手不可能な状況が現実である。
そこで、ターボテクノエンジニアリングでは、絶え間ない研究と技術の蓄積を活かして、入手不能な部品を自社生産することで、タービンのリビルド・ビジネスを独自構築したのである。劣化した部品と消耗品を交換し、ハウジングなどを洗浄後に表面処理行い新品同様に仕上げて、組み上げられるのである。特筆すべきは、ベアリングなどの重要部品は、純正仕様よりもハイスペック品を使用する事で、耐久信頼性を向上させていることである。
持ち込まれたターボの分解計測をこない、個々のリビルドメニューを決定する。劣化度の状態は、全てが記録される。 | 超高回転で作動する、シャフトにタービンとコンプレッサーを組み付け、バランサーで精密に調整を行う。 |
---|---|
アッセンブリーに組み立ては専用の清潔な作業ルームで行われる。 | 完成したユニットには、シリアルのIDで履歴管理を可能なように、交換部品、作業の内容が、レコードされ、トレーサビリティの体制が完備している。 |