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JFE物流株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小俣一夫)はこの度、天井クレーンによる荷役の可能なウィング車「ルーフスライドウィングトレーラ」を導入、運行開始した。これにより、幅広いお客様に輸送効率化の提案をし、CO2の排出を削減することが可能となったという。

今回開発した新車輌は、日本トレクス株式会社(愛知県豊川市)と共同で開発。ルーフ(天井)部分が折り畳みながら左右にスライドするもので、天井クレーンで積み降ろしを行うことが可能となったことで、従来のウィング車では扱えなかった鋼材も積載可能となった。庇部分が濡れ防止の役割を果たし、金属製ボディというウィング車の特性も合わせ持つ、言わば進化したウィング車だ。これにより、往復併用輸送の対象貨物が拡大し、一般消費材や精密機器などの、より品質管理の厳しい貨物の輸送も可能となった。また、幌車に比べて荷役時の能率・操作性も格段に向上した。

車輌導入と運行は同社グループ会社のJ−ロジテック株式会社が行う。現在JFE物流グループでは千葉地区から北関東方面に向けて1日70台を超えるトレーラによる鋼材輸送があるが、今回の第1号車を運行し、まずはその帰り便として北関東地区から都心へ向けて飲料を輸送するという。更に、今後の需要に応じて2号車以降の導入を検討し、対象貨物を拡大していく予定。

 




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荷下ろし場は足利。早めに現地入りし、RSWの到着を今か今かと待ち受けていた。ブルーのヘッドが見えるたびにドキドキする。30分経ったころ、同行してくださったJ-ロジテックの方に、ドライバーさんから「まもなく着きます」の電話。いよいよだ。

しばらくすると「あれや、あれ。うちのクルマや」の声に思わずカメラを構える。遠くからブルーのヘッドがどんどん近づいてくる。カメラ越しに見たRSWの美しさと迫力を言い表すのは難しいが、とにかくカッコいい。まな板トレーラばかりの中でその存在が際立っている。

ただ何かがいつもと違う・・・・・・このウィングトレーラ、ただものじゃない。
通常のウィングトレーラにはない「出っ張り」があり、ルーフは幌でできている。一見して普通のウイングトレーラと違うのが分かる。

初めての荷下ろしの時は「変わったクルマが来た」と他社ドライバーによるギャラリーができたとか。

この「出っ張り」こそが今回の新車輌の秘密らしい。さて何が隠されているのだろうか?!ウィングの中はどうなっている?

「出っ張り」の秘密も早く知りたいところだが、まずは荷下ろしの準備をするらしい。先にウィングの中を見せてもらえそうだ。どうやってウィングという箱にコイル状の鋼材を載せているのだろうか?帰り荷で飲料を運ぶこともあるらしいが、飲料とコイルでは形状が異なるはずだが・・・こうなったら一刻も早く見てみたい。
積荷の固定を外しているドライバーさん。しっかりと固定されているのは分かるが、肝心の鋼材の下がどうなっているのか・・・のぞきこむがよくわからない。どうにか近くに行けないものか。
「入っていいよ」の天の声。床の中央に何か出ている。この黒いのは何だろう。床の一部に見えるが・・・鋼材下部の丸みに合うよう床がくぼんでいる。床を移動させて見てみたい衝動にかられる。
床が細分化され、積荷を固定できるようになっている。荷下ろしのため、床を一旦脇に移動。1つ1つに持ちやすいように穴が開いているなど随所に工夫がされている。あっという間の作業だ。

ドライバーさんにお話をお聞きしたところ、
・雨の日に鋼材を濡らす心配がないこと
・幌をたたまなくてよいこと

が特に良いと感じているとのこと。

荷下ろしの順番待ちの間、幌と格闘しているドライバーさんを何人も見かけた。たまたま同僚ドライバーがいれば助け合うようだが、1人だと重労働だ。

また、雨に濡れないというのは、重要なポイントだ。製品が雨に濡れることを喜ぶ荷主はめったにいないだろう。
丁寧に荷物を運んでいることが伝わり、企業イメージ向上にもつながりそうだ。

くぼみ(コイルポケット)のアップ。ゴム板使用。負荷がかかるところなのでしっかり補強されている。ポケット適用コイル直径は700〜2,100mm。コイルポケットの絶妙な角度がすばらしい。

最後にコイルポケットの上に板を置けば、一瞬で普通の床となる。一般消費財用のウィングに早変わりした。フォークリフトでの積込もできる。積載量は大きいし、まさにエコ物流だ。


いよいよ、その全貌が明らかになる時がやってきた。あの「出っ張り」に隠された秘密は何だろう。鋼材の積み下ろしは天井クレーン。ウィングでどうやって荷下ろしするのか、気になるところだ。
まず両サイドのウィングが開けられた。クレーンは車輌右側。どうして左側も開けるのか。この時点でアオリはまだそのまま。
ドライバーさんが車輌右後方よりリモコンを取り出し、何か操作を始めた。テールゲートはついていないし、何かが起きそうだ。
おおっ!静かに天井が動き始めた。このウィングトレーラ、天井が折りたためるのか!しかも左にスライドしている。(左右どちらにもスライドします)

天井がさらに外へとスライドしはじめる。静かにゆっくり動いているように見えるが、スライド開始から1分もかからなかった。 こんなトレーラがあろうとは。やはりただものではなかった。
天井がスライドし、完全に上が開いたウィング。天井クレーンでの荷役に何の支障もない。今回の取材のため、通常よりかなりゆっくりとしたペースで作業していただいたにも関わらず、ウィングのヒンジを開けるところから閉めるまで5分とかからなかった。

今までなかったリモコン、他の操作性など、ドライバーの方にお聞きしたが「いや、全く問題ないですよ!」とキッパリ。

荷下ろし直後なので、床の一部がまだ出ている状態だが、納めれば普通のウィングになる。一般消費財の積込へ向けて出庫だ。
キャビン内にはアイドリングストップして使えるクーラーを装備。輸送合理化によるCO2削減だけでなく、アイドリング時のCO2排出にも配慮している。
この金属製ボデーがあればこそ、雨や汚れから積荷を守ることができる。消費財だけでなくどんどんと輸送の幅が広がっていくだろう。

 

主要諸元
車種
ルーフスライドウィング架装平床式セミトレーラ(RSW)
最大積載量
24,000kg
車輌総重量
35,990kg
荷台寸法
内法長
12,500mm
内法幅
2,370mm
内法高
2,200mm
CO2排出削減効果
約47トン/年/台(参考:一般家庭年間排出量の10世帯分)
トラクタ
いすゞ GIGA
トレーラ
日本トレクス製


 このトレーラーの開発にあたっては、軽量・各部開口部最大なおかつローコスト、という ニーズを満たすため様々な苦労がありました。

 特に苦労した部分はルーフ開口寸法の確保です。ご承知のように天井開閉機構が車輌上部にあるため、装置を取り付けるスペースが限られる中で、前後の移動差なくスムーズな開閉をさせるための機器選定と機構レイアウトに最も開発時間が必要でした。テスト用開閉機構の試作を繰り返し、辿り着いたのが今回の車輌に取り付けた装置になっています。また当然ながら、一般のウィングトレーラ同様の防水&気密性能、簡易な取り扱い操作などを要望され、信頼がおける電気的な回路設定にも大変な苦労がありました。

 しかし苦労した分、車輌が完成した時には「今までにないクルマを作った」という満足感でいっぱいになりました。また、こうして私共が製作した車輌が実際に運行されていることは、開発者として心から嬉しく思います。





企業情報
会 社 名  JFE 物流株式会社  http://www.jfe-logistics.co.jp/  
代 表 者  代表取締役社長  小俣 一夫
設   立  昭和24年6月2日
        (平成16年4月)エヌケーケー物流(株)と川鉄物流(株)が合併し、JFE 物流株式会社と改称
資 本 金  40億円
拠   点  
本社 :東京都千代田区大手町2丁目6番2号 日本ビル3F
        事業所:千葉、京浜、知多、倉敷、福山
        営業所:仙台、東京、市川、浦安、川崎、名古屋、大阪、神戸、倉敷、福山、広島、福岡
        海外 :ソウル、上海