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江崎グリコと明治乳業が1月からアイス共同配送を関西全域に拡大

2011年1月6日(木)

アイスのトップメーカー2社が大都市圏で共同配送を開始する。

 江崎グリコ(江崎勝久社長)と明治乳業(浅野茂太郎社長)は関西エリアで段階的に実施していたアイスの共同配送を1月下旬から関西全域に拡大する。莫大な販売量を抱える大都市では共同配送が難しいとされているが、メーカー主導のもとコスト低減や環境に向けて一歩踏み込んだかたちだ。

 両社とも関西エリアにおけるアイスの物流拠点を大阪南港(江崎グリコ=ニチレイロジグループ、明治乳業=港湾冷蔵)に置き、納品先、納品時間もほぼ同じことから共同配送につながった。今回は販売量が多い大都市であるため共同保管を行わず、配送車が2ヵ所積みを行う体制にした。

 こうした2ヵ所積みは菓子の共配ですでに実施されているものの、アイスは温度管理が難しいためこれまで実施されていない。ただ、両拠点とも出荷前室は冷凍で管理されており、実験段階では積み込みの際に温度記録をとるなどして両社の品質基準をクリア。

 利用する冷蔵倉庫事業者に加えて、配送を担当する明治乳業の子会社・明治ロジテック(奥賢二郎社長)と積み込み方の工夫などを調整し、冷凍下で2ヵ所積みの仕組みを構築してきた。

 すでに4月から1つの配送コースで実証実験をスタートし、6月中旬からは大阪南部と和歌山方面に拡大。来年1月下旬から関西エリア全域に拡げる。販売量が増大する夏場は1社単独での配送が多くなるが、冬場を中心に共同配送によってトラックの積載率を高め利用台数を減らす。両社とも下期だけで物流コスト1割削減を見込んでいる。

 ■狙いは冬のシーズンオフ

 アイス業界の共同配送は物流事業者主導、メーカー主導の違いがあるが、地方を中心に進展している。地方では販売量が少ない上に保管できる冷蔵倉庫も少なく、保管費軽減や積載率向上に向け共同配送が一般的になっている。

 一方で大都市では販売量が多いため、保管・配送は1社で賄える状況で共同配送がほとんど進んでないのが現状。

 しかし、アイスは通年販売されているとはいえ、いまだに季節商品であり、夏と冬の差がおよそ2倍にまで開いている。こうした冬場の販売量減少が大都市圏でも課題となっており、今回はメーカー主導のもとトラック車両削減による環境効果や物流費低減に向けて取り組むこととなった。(カーゴニュース)